世界の航空会社は、各クラスのシートやラウンジまで、顧客満足度を高めようとサービス開発競争を繰り広げている。そこで、外資系航空会社のサービスの一端を紹介しよう。今年乗る人も、いつかは乗ろうと考えている人も、写真を見るだけでも旅行気分が盛り上がるはずだ。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2017年11月4日号『10,000人が選んだベストホテル&エアライン』を再構成したものです。
【First class】
A380を舞台に繰り広げられる夢の空間の競演
エティハド航空のA380に足を踏み入れると、最上級クラスのザ・レジデンスには、高級ホテルのような豪勢な空間が広がっている。
ほかにも、A380のローンチカスタマー(最初の顧客)として、世界初の個室空間を実現したシンガポール航空や、シャワールームを完備したエミレーツ航空など、ファーストクラスの戦いの舞台は、世界最大の飛行機A380だ。
ただ、世界の航空産業においてシェアを増やしているのは、中型機や小型機だ。A380のような大型機は燃費が悪く、500を超える座席が満席になることはあまりない。機体が小型化する中で、ファーストクラスを廃止するエアラインも増えている。
その結果、ファーストクラスを利用する乗客は、超VIPに限られるように。そこで、最上級クラスを残す選択をした航空会社は、A380の広さを生かして特別な仕掛けを生み出し、ブランディング強化にしのぎを削っているのだ。
今年11月、シンガポール航空は、A380の初飛行から10年近くがたったのを機に、スイートの座席も刷新する。この先、空の上で展開する夢の空間が、どこまで進化していくのか目が離せない。