〈 健保組合、保険料率上げ 高齢者医療負担重く 〉

 4月11日、日本経済新聞の朝刊1面にこんな見出しが飾った。

 大企業の従業員が加入する健康保険では、高齢者医療への支援金を支払うために健康保険料を引き上げる組合が増えており、その負担によって企業収益や家計が圧迫されるというのが記事の内容だ。

 16日の健康保険組合連合会(健保連)の発表によれば、今年度、保険料率を引き上げるのは、約1400ある組合のうちの4割。会社員の健康保険料は従業員の給与やボーナスに一定の保険料率をかけて計算するが、その保険料率の全組合平均が2011年度の7.989%から、今年度は8.310%になる見込みだという。

 たしかに、後期高齢者医療制度ができた2008年以降、現役世代の健康保険料は年々引き上げられる傾向にあるが、大企業の健康保険の負担だけが突出して重いというわけではない。それどころか、彼らの保険料はまだまだ優遇されていると言えるのだ。

参議院予算委員会で明らかになった
NHK職員の優遇された健康保険料

 昨年9月28日、民主党の櫻井充議員は、NHKが中継する参議院予算委員会の中で、小宮山洋子厚生労働大臣に日本放送協会健康保険組合の保険料率を問いただした。

 小宮山大臣が明らかにしたNHK健保の保険料率は5.35%(当時)。

 中小零細企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の2012年度の保険料率は10%なので、NHK健保はその半分程度しか負担していないことになる。

 さらに櫻井議員は、「NHKの保険の負担は、事業主負担62、本人が38なんです。こんなに恵まれているんですね」と労使の負担割合にも言及した。