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「ウェルビーイング」は、1948年の世界保険機関(WHO)設立の際に考案された憲章で、初めて使われた言葉だ。「幸福で肉体的、精神的、社会的全てにおいて満たされた状態」をいう。新しい幸せの形として用いられ、最近さまざまな場面で耳にすることが多くなった。『ウェルビーイングの新潮流』第29回では、猫の長寿化が引き起こす問題について考える。
飼い猫の寿命が延びている要因は?
一方、老化に伴う問題が顕在化
近年、日本における飼い猫の長寿化は顕著に進んでいて、かつてない水準に到達しています。現在の猫の平均寿命は約14.5歳とされ、調査によっては15歳を超える水準にまで伸びており、1980年代には3〜4歳程度であったことと比べると、この変化は劇的と言えます。
この長寿化の背景には、いくつかの要因があります。
第一に、完全室内飼育の普及です。外敵や感染症のリスクが減少し、事故死も大幅に減りました。第二に、栄養バランスの取れたフードの普及や、年齢別・疾患別の食事管理が一般化したことです。第三に、獣医療の進歩です。定期検診や高度医療の利用が広がり、早期発見・長期管理が可能になりました。これらが相互に作用して、猫は「長く生きる動物」へと変化したのです。
一方で、寿命の延伸は新たな課題も生み出しています。それが「慢性疾患の増加」です。特に7歳以上のシニア猫の割合は年々増加しており、老化に伴う健康問題が顕在化しています 。
調査によると、シニアペットの約7割は健康とされる一方で、約3割には何らかの不調の兆しが見られます。つまり、多くの猫が長生きしている反面、「完全に健康なまま寿命を迎える」わけではなく、慢性的な不調を抱えながら過ごすケースが増えているのです。







