西日本を襲った記録的豪雨甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町  Photo:Reuters/AFLO

西日本を襲った豪雨による被害者は6月10日になってもさらに拡大、13府県で死者は130人、行方不明や連絡が取れない人は74人に上るなど、未曾有の被害となっている。なぜここまで被害が拡大したのか。その原因と、今後の対策について、災害の専門家で災害リスク評価研究所の松島康生氏に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン副編集長 田島靖久)

バックビルディング現象で
積乱雲がとどまり激しい豪雨に

──西日本を襲った豪雨ですが、なぜ記録的な降水量をもたらしたのでしょうか。

 梅雨前線が北九州から中国・四国地方、関西地方まで上がり、そこで停滞してしまいました。そこへ、南から暖かく湿った空気が継続的に流れ込むことで、最大高度約7キロメートルの積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が多発、「線状降水帯」が発生したため長雨が続いたと考えられます。

 さらに、積乱雲の成り立ちを詳しく見ると、積乱雲の風上に次の積乱雲が連鎖的に発生する「バックビルディング現象」が見られます。通常、積乱雲の“寿命”は30~60分程度と言われていますが、この現象が起きると、一つの積乱雲が同じ場所に長くとどまる形となり、激しい雨を降らし続けてしまうのです。

 この「バックビルディング現象」は、2014年8月の広島土砂災害や、15年9月の鬼怒川水害、そして昨年7月の九州北部豪雨でも見られた現象です。