不登校や引きこもりを
問題視する社会の「害」

 Aさんは薬を一切止めてから、身体もだんだん回復してきているという。最近は、親もAさんに何も言わなくなった。

「親があまりうるさいと、殴ってしまうかもしれないという不安を抱えています。でも、親を殴ったことはありません。一度殴ってしまうと、自分の中で歯止めが効かなくなるのではと思って、辛うじて踏みとどまっているんです」(Aさん)

 先日、地方の裁判所で、さんざん学校に通わせたあげく不登校に陥った被告の父親に、裁判長が「なぜ、それでも子どもを学校に行かせなかったのか?」と責める場面を見て唖然とした。

 不登校や「引きこもり」という状態が問題であるかのような空気は、いまだに根強くある。しかし、学校時代、「苦登校」を続けてきたことによる後遺症のほうが、後の「生きづらさ」につながる深刻な影響をもたらしていることも忘れてはならない。

(ジャーナリスト 池上正樹)

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