近年、スマホの占いサイトによる金銭トラブルが増加しているという。おもな手口は、1通約1500円の有料メールを占い師宛に送らせるというもの。被害者のなかには数百万円以上の金額をサイトにつぎ込んでしまった例も。悪質な占いサイトの実態とは…。(清談社 谷口京子)
2年で1000万円を
つぎ込んだケースも
当たるも八卦、当たらぬも八卦。この言葉通り、一般的に占いは自己責任の範疇という認識が強いはずだ。ところが近年、ネット上では、悩み相談の性質を備えた占いサイトが増えており、金銭トラブルが増加している。周囲に相談できないような悩みを抱え、第三者の占い師に打ち明けたい、と考えるうちに深みにハマってしまうのだ。
「多方面で被害に遭ったと訴えられている占いサイトの特徴は、被害者と占い師の間で行われる有料メールのやり取りによって、支払金額が増えていく“都度課金”と呼ばれるシステムをとっているケースです。多くの場合、メール1通送るごとに鑑定料として約1500円を支払います」
そう話すのは、サクラサイト被害対策弁護団団長の瀬戸和宏弁護士。同弁護団に所属する弁護士たちは、これまでさまざまな占いサイトの案件の交渉や裁判を担当してきた。なかには、2年以上にわたって占い師とメールのやり取りを続け、結果的に1000万円近くの金額を支払っていた事例もあるという。
「占いサイトによって回数は異なりますが、一度に10回以上のメールを送るように被害者を誘導することもあります。1通1500円なので、それだけで1万5000円。毎日続けば、相当な金額になりますよね。支払いは銀行送金の他、クレジットカードや電子マネーで行い、被害に遭ったと気づいたときには、いつの間にか多額のお金を支払っていたというケースがほとんどです」(瀬戸弁護士、以下同)