街の開発スピードに
鉄道整備が追いつかない

「極論ですが、車両を増やして、本数を増やして、線路を増やせば、満員電車はなくなります。ただ、それが現実化しないのは、資金上の問題もありますが、もっというと街の開発を抑えることができないからです」

 街の開発に鉄道整備が追いついていない例に、JR武蔵小杉駅がある。朝の通勤時間帯には改札まで長蛇の列ができ、社会問題に発展している。駅周辺にタワーマンションが多く建設され利用客が爆発的に増えたが、鉄道の開発が追いついていなかったため、こうした事態に陥った。

「利用客に時差通勤を促すためのポイント制度を導入するなどしていますが、抜本的な解決にはほど遠い。鉄道会社のほうも、近年では満員電車よりも、ホームドアの設置に力を入れている向きが強いです」

 鉄道事業者や行政の施策には限界がある。個々人や社会が解決策を打ち出したほうが、より現実的なのだ。

「『同じ時間に出退勤する』という仕組みを変えていくのが先決だと思います。企業に対する希望になってしまいますが、テレワークや、フレックスタイムなどをもっと積極的に取り入れていくことが満員電車解決の近道ではないでしょうか」

 人々の働き方が変われば、自動的に満員電車は緩和されるのだ。しかし、企業の体質を変えるのにもまた、それ相応の時間がかかる。残念ながら、満員電車撲滅にはまだまだ時間がかかりそうだ。