なんのために株式投資をするのか?

 会社の経営者をしていると、よく耳にする言葉があります。

 それは、「失敗は成功するまでおこなう努力を、途中で放棄するからだ。成功するまで続ければ、誰でも必ず成功する」というものです。

 思わずなるほど、と頷きたくなる言葉です。

 ただ、株式投資においては、この言葉は100%正しいとは言えません。資金が底をつけば、誰もがゲームオーバーだからです。

 裏を返せば、どんなに素晴らしい素質を持った才能溢れる投資家でも、才能をみずから開花させる前に資金が底をつけば、もはやプレイヤーですらいられないのです。

 そうならないためにも目先のテクニックや分析手法だといったことだけにとらわれない、大きく見る視点を持つことが肝心です。

 これが、株式投資の大切な、あなたの「型(カタ)」になります。

 とくに「考え方」「見方」「やり方」を手に入れることは、いわば、株式投資においての神の視点を持つ、ということです。

 といっても、天空にいる神さまになるということではありません。小説などでは、一人称で書かれたものを自分視点。それ以外のものを、神の視点と表現します。

 つまり、俯瞰してすべてを上からのぞけている状態です。自分がいまどこにいて、どこに向かっているのか。そのために何が必要で、何が足りていないのか。次にどんなことが起こりそうで、そのためにどんな選択肢が必要となるのか。これらを俯瞰して全体を見ながら、正しい投資法をおこなうのです。

 ただし、技術を学ぶ前に、まず「考え方」を知ってください。そして、戦略の「見方」をマスターしていってください。

 神の視点を持ち、それらを正しい順序で動かすことによって、高速で勝つ投資家に成長していける。私はこれを神速株投資術と名付けました。

 その内容は、プロの相場師なら誰もが知っていて、武器として実践していることです。知らないのは、出遅れている投資家と、スタートしたばかりの投資家だけです。

 株式投資において、こうした無知は、そのまま損失につながります。株式投資では「相手が知っていて、あなたが知らないこと=損失」なのです。

 たとえば詐欺師は、なにも知らない無知な人に寄ってきます。知っている人は、自信があるので騙せません。顔を見て、自信がみなぎっていれば、近寄りもしないのです。

 同じように競争が支配する株式市場で資産を築きたいのなら、ぜひこれだけは覚えておいてください。

「無知であることは、圧倒的に不利である」と。何のために株式投資をするのか。それは、あなた自身の人生を豊かにするためです。

 他人の人生でも、私の人生でもありません。すべて、あなた自身のためなのです。

上岡正明(かみおか・まさあき)
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役社長
1975年生まれ。放送作家を経て、27歳で戦略PR、ブランド構築、マーケティングのコンサルティング会社を設立し、独立。現在まで16年間、実業家として会社を経営する。これまでに、大手上場企業など200社以上の企業ブランド構築、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントやPRなどを行う。
起業する一方で、同じ時期に元手200万円で株式投資をスタート。以後、リーマンショックと東日本大震災という2度の破算危機を持ちこたえ、2014年に株の保有資産1億円を達成。現在は保有資産2億円に到達。
多摩大学大学院経営情報学研究科修了(MBA)。東京都中小企業振興公社講師。学校法人バンタンJカレッジ客員講師、日本行動心理学協会会員、日本認知科学会会員、日本神経心理学会会員、行動経済学会会員、一般社団法人日本行動分析学会会員。
上岡正明のオフィシャルブログ https://ameblo.jp/kamioka2014/