外国にルーツを持つ子どもたちが増えている
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近年の日本には、外国にルーツを持つ子どもの数が年々増える傾向にある。神奈川県でも外国人生徒が急増する中、彼らの日本語教育の需要だけではなく、これから日本社会で暮らすための文化や生活面でのサポートや心のケアも必要となっている。その取り組みの一つとして、県内で活動するNPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)が、2008年より外国につながる生徒の交流会を行い、同じような同年代の友達と出会いサポートし合える環境作りを行ってきた。「オルタボイス交流会」と名付けられたその取り組みと、そこで聞こえてくる外国にルーツを持つ子どもたち、特に自分の意思で移民したのではない子どもたちの本音を紹介する。(取材・文/フリーライター 大藪順子)

 6月の雨の中、横浜市南区にある高校の多目的ホールに高校生たちが集まった。部屋に入るなり、久しぶりに会う友達を見つけては歓声が上がり、話が弾む。自然と同じ国の言葉を話す生徒同士が集まり、さまざまな言語が飛び交い始め、多目的ホールは一気にインターナショナルコミュニティーと化した。

 オルタボイス交流会に集まった生徒たちは、神奈川県在住の外国にルーツある高校生。中国、フィリピン、ペルー、ベトナム、アメリカ、パキスタン、ブラジルにつながりのある生徒たちと、国際交流に興味ある日本人生徒たち40人が参加。ひらがな、カタカナ、ローマ字で、それぞれが書いた名札をぶら下げている。

 会場には、日本語教員を含む学校の先生や、主催のNPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(以下ME-net)が各学校に派遣している多文化教育コーディネーターたちも参加。この空間では、日本語の上手い下手を問われることはない。多様性がよしとされ、外国人だからというフィルターを通して特別視されることもない。

「時間になりましたので、オルタボイス交流会を始めたいと思います」

 司会の生徒が雑談している生徒たちに繰り返し呼びかけプログラムの進行を促すが、ほとんどの高校生たちに動く気配がない。見兼ねた大人たちが、各グループに介入して誘導する。すると、それまで自分の母語を気兼ねなく話していた生徒たちの表情から安堵感が消え、参加者みんなでつくる大きな人の輪に加わった。