女性活用が叫ばれる中、企業は女性管理職の割合を引き上げようと努力しています。しかし、絶対にマネジャー職に就きたくないと昇格を拒否する若手の女性社員も多くいるようです。『管理職養成講座』14回目では、女性管理職の働き方を見て、若手の女性社員が会社とマネジャー職に対して希望が全く持てなくなった事例です。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)
育休から復帰し時短勤務の
女性管理職が悩む仕事と家庭の両立
大手コンサルティング企業に勤めるTさん(40歳・女性)は、3ヵ月前に育休から復帰し、時短で働くマネジャーです。責任感がとても強く、上司相手に躊躇なく意見を述べる一方で、部下の面倒見もいいため、いわゆる“姐御肌タイプ”として社内でも有名人です。そのため、男女5名の部下全員から尊敬されており、産休に入る前から信頼関係は構築できていました。
そんなTマネジャーが最近頭を悩ませているのが、仕事と家庭の両立による体力の限界でした。Tマネジャーの夫は5歳年上で、同じ業界で働く管理職です。とにかく多忙で、「疲れた」と言ってほとんど家事をしないため、Tマネジャーは疲労困憊していました。