「社員全員がワクワクできる会社」のオーナーになる

本田健(ほんだ・けん)
作家
経営コンサルタント、投資家を経て、育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」「ライフワーク」「ワクワクする生き方」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。著書は、100万部を突破した『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房)など、著書は130冊以上、累計発行部数は700万部を突破している。2017年にはアメリカの出版社Simon & Schuster社と契約。初の英語での書下ろしになる著書はヨーロッパ、アジアなど世界25ヵ国以上の国で発売されることが決まっている。(Photo by 森藤ヒサシ)

本田:会社を大きくすることだけを考えていると、やがて破綻しかねない。植木と一緒で、剪定(せんてい)してこれ以上広がらないように部門を売却するなり、クローズするなりしていかないと、会社は、「成長」せずに、「膨張」してしまうでしょう。

僕は、「会社を大きくして、ダイナミックに仕事をする」というタイプのビジネスオーナーではありません。だから、上場するような大きな会社を経営するのではなくて、「小さくまとまる」という選択をしたんです。なぜなら、「ただただ、自分の楽しみだけで仕事をする」ほうが、ストレスが少ないからです。

佐々木:「成長」と「膨張」の違いを教えてもらえますか?

本田:人材が育っていないのに、売上規模だけが急成長している状態が、「膨張」です。一方「成長」というのは、売上だけでなく、人材の育成もともなっています。そして、社員全員がワクワクして、楽しくて、感謝と友情を育みながら仕事ができる状態です。

「自分のビジネスで稼ぐ」ということは、事業を立ち上げて、アイデアやシステムで稼ぐことです。もし、自分のビジネスで稼ぎたいのであれば、「自分は何を提供できるのか」を真剣に考えて、知恵をしぼること。そして、社員全員がワクワクできるような「成長する会社」を目指すことが大事です。

成功するビジネスは、「リピート」によって成立する

佐々木:その後、敬は、タイのチェンマイにあるソムチャイさんのレストランで働くことになります。敬は、ここで大失敗をしてしまうのですが、失敗を通して、

「『成功するビジネスは、リピートによって成り立っている』らしい。何度も来てくれるお客さんには、大幅に割引しても、十分ペイする。そして、何より、常連客の彼らが、店の活気を作り、新しいお客を連れてきてくれる」

 ことに気がつきます。本田さんは、リピートビジネスについて、どのようにお考えですか?

本田:「作家」というビジネスであれば、「ずっとファンでいてくれる人」をつくることが大切です。本のテーマや内容だけでなく、「著者の名前」で本が売れるようになれば、ビジネスが安定します。クリーニング屋さんは、シャツ1枚あたりのクリーニング代はそれほど高くありません。それでも利益が出るのは、お客様が毎月、毎週、リピートするからです。

 たしか、アフリカのコンゴ共和国だったと思いますが……、「1個2円」のキャンディーを売って大金持ちになった人がいるそうです。仮に粗利益が1個1円だとしても、国民が毎日1個ずつキャンディーを買ってくれたとしたら、莫大な金額になりますよね。
 多くの人たちは、「1回きりのビジネス」を考えます。でも、1回の仕事で大きなお金を狙うより、単価は安くてもいいから、リピートが期待できる課金制のビジネスモデルのほうが、結果的に大きな売上につながるわけです。

佐々木:なるほど。『大富豪からの手紙』は、自己啓発書でありながら、ビジネスのヒントがたくさん盛り込まれている『ビジネス小説』ですね。気づきのあったページに付箋を貼っていったら、本が「付箋だらけ」になりました(笑)。

<第4回へ続く>