ジャマくさいことは
一瞬で終わらせよう
17世紀フランスの思想家パスカルは、代表作『パンセ』(中央公論新社)の中でこう言っています。
「人間はひとくきの葦(あし)にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である」
人間は葦のように弱くて、小さくて、儚(はかな)い存在だけれど、その弱い葦は「考えることができる葦」です。
人間の強さ、偉大さは考えることにあります。
考えることをやめたら、人間の価値はどんどん下がってしまう。
頭で考えず、身体だけ動かすような「マンネリ」「惰性」の単純作業を繰り返している限り、「考える葦」にはなれません。
ルーティン作業をやるために人間がいるわけではない。
私にとって、ルーティン作業は最も忌み嫌うジャマくさいものです。
と言っても、ルーティン作業をゼロにはできない。
ルーティン作業が利益を生むこともあります。
それでも、考えて考えて考えて、毎日考え続けて、
「ジャマくささをひとつでも取り除き、わずかでもいいから知的作業を残していく」
「ジャマくさいことは、一瞬で終わらせる」
「ジャマくさいことをギュッと圧縮してしまう」
ことが私にとっての「合理化」なのです。
今回、年間2000人の見学者が訪れる、鉄工所なのに鉄工所らしくない「HILLTOP」の本社屋や工場、社内の雰囲気を初めて公開しました。ピンクの本社屋、オレンジのエレベータ、カフェテリア風の社員食堂など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事をご覧いただければと思います。