総合電機各社はかねて、一様にヘルスケアを第三の柱に掲げた。その後、買収で拡大を仕掛けるところもあれば、実質撤退の売却もあった。現在のトーンは各社各様となった中、日立製作所は三菱電機の粒子線治療装置事業を買収、同事業で世界トップの背中を捉えようとしている。『週刊ダイヤモンド』7月21日号の第1特集「製薬 電機 IT/医療産業エリート大争奪戦」の拡大版として、産業のキーマンたちのインタビューを特別連載でお届けする。第7回は日立製作所の竹尾友良ヘルスケアビジネスユニット経営戦略室長に聞く。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)

――日立グループは長らく医療機器業界に根ざしてきましたが、競合を押しのけて世界トップを握る事業があるわけではない。業界では総じて外資が強く、日本は輸入超過が続いています。初めての世界1位を狙えるものはあるのでしょうか。

竹尾友良・日立製作所ヘルスケアビジネスユニット経営戦略室長 Photo by Masato Kato

 粒子線治療システム(※)は、6月に三菱電機と事業統合して世界2位。チャンスです。

 グループ会社を含めた医療・ヘルスケア事業の売上高は約3300億円。主力は放射線診断や超音波診断などの診断装置、体外診断・検査、そして放射線治療システム。この4~5年で伸び率が一番大きいのが放射線治療です。

 病気を抱える患者が増える高齢化社会においては、ただ治すだけでなく、その後のクオリティ・オブ・ライフ(QOL。生活の質)も考えることがより求められます。低侵襲治療(患者の体に対する負担を減らした治療)である放射線治療はますます伸びるでしょう。

(※粒子線治療:放射線によるがん治療法の一種。がん細胞にピンポイントで照射し、周辺の正常細胞への影響を最小限に抑えた治療法。重粒子線治療、陽子線治療がある)

――世界トップであるベルギーのIBAを抜くつもりなんですね。国内にはすでに粒子線治療施設がたくさんあるので、海外展開が中心になっていく?