「藤沢数希の金融対談日記」の2人目のゲストは、独立系投資運用会社のレオス・キャピタルワークスで最高投資責任者(CIO)を務める藤野英人氏。直販ファンドの「ひふみ投信」は、アクティブファンドとしてTOPIXを50%以上うわ回る運用成績をあげている。著書ではインデックス・ファンドを推奨する藤沢氏が、その秘密に切り込んだ。

インデックス派からの挑戦!?

藤沢  ご存知かもしれませんが、僕は『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』という本を書いていて、投資するなら運用コストが安いインデックス・ファンドにしましょう、というスタンスなんですね。それで、事後的にはもちろん藤野さんのようにすばらしいパフォーマンスを上げるファンドマネジャーもいらっしゃるし、こうやって実際にお話ししていると、やっぱりこれからもいいパフォーマンスを出し続けると思えてくる(笑)。

 でも一般的にいったら、やっぱりアクティブ・ファンドの多くは運用報酬に見合った仕事をしているかは非常に疑問なわけです。だったら安いインデックス投信でいいんじゃないか、と。それに藤野さんの過去のパフォーマンスは、必ずしも藤野さんの未来のパフォーマンスを保証するものではない(笑)。

藤野英人(ふじの・ひでと)レオス・キャピタルワークス取締役・最高投資責任者(CIO)。1966年富山県生まれ。90年早稲田大学卒業後、国内外の運用会社で活躍。特に中小型株および成長株の運用経験が長く、22年で延べ5000社、5500人以上の社長に取材し、抜群の成績をあげる。2003年に独立し現会社を創業、現在は、販売会社を通さずに投資信託(ファンド)を直接販売するスタイルである、直販ファンドの「ひふみ投信」を運用。ファンドマネジャーとして高パフォーマンスをあげ続けている。ひふみ投信 http://www.rheos.jp/
ツイッターアカウント@fu4

藤野  それはもちろんその通りですけど、投資ってやっぱり信じることなんですよ。私は、しっかりとした企業分析を続ければ、短期的には多少の負けはあるかもしれませんが、長期的にはマーケットに勝ち続けることは簡単ではないけれども不可能ではないと信じています。なぜなら、緻密な企業分析によりマーケットがまだ気づいていない成長する会社を見つけることは実際に可能だからです。

藤沢  僕が藤野さんの『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』で、非常に良かったのは、世の中の99%のアクティブ・ファンドはダメだということをしっかりと書いていることです。確かにダメなんですよ。世の中のアクティブ・ファンドって、ほとんどは出来の悪いインデックス・ファンドなんですよね。

藤野  そうなんですよ。彼らアクティブのファンド・マネジャーは、ベンチマークとして、それぞれの市場のインデックスを与えられていて競争させられている。だから、どれもインデックスからちょっと乖離しただけのポートフォリオになっています。だったら、最初からインデックスを買ったほうがいい、という話ですよね。