もはやグレード名を超えている
ホンダを代表する“スペシャルモデル”
タイプRは、もはやグレード名を超えている。ホンダを代表する“スペシャルモデル”という位置づけがしっくりとくる。
タイプRのルーツは、ご存じのように1992年に登場した1st・NSX。エンジン性能をはじめ、軽量化、高級素材の採用、装備の簡略化など、タイプRはサーキットで本領を発揮する1台だった。スタンダードモデルとはまるで異なるキャラクター設定が“タイプR”のブランド性を作り上げた。
世界的にラグジュアリー化が進む高性能ブランドにあって、ホンダのタイプRは3ペダルのマニュアルトランスミッションを採用するなど、NSX時代の開発テーマをいまに受け継ぐ貴重な存在となった。その主役がシビックだったという点が、またホンダらしい心意気か。そして、1997年のEK9型に始まったシビック・タイプRの歴史は、最新モデルのFK8型になっても途切れることはなかった。
ハッチバックモデルをベースに仕立てられた新型シビック・タイプR。そのエアロルックスは精悍なだけではない。すべてに機能の裏づけがある。あらゆる速度域において絶対的な安定性を獲得したほか、優れたCd値とマイナスリフト化も達成された。つまり、ニュルブルクリンク北コースにおけるFF車世界最速7分43秒80を記録するための必需品だった。