『ファイナルファンタジーXI』は国民的RPG『ファイナルファンタジー』シリーズにおいて、初めてオンラインが前提となったタイトルである。
ユーザーは自分の分身となるキャラクターを操って、他のユーザーと協力しながら冒険を進めていく、という内容。超人気シリーズのナンバリングということもあって、同タイトルはMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)の浸透に大きな一役を買った。
このゲームで廃人(※“廃人”はネトゲ界隈において時としてリスペクトの意が込められる)となって数年を過ごしたAさん(39歳男性)は、ゲーム内で有名ゲーム誌のインタビューを受けたことがあるほどのつわもので、周囲から一目置かれ、頼りにされていた。しかし、裏の顔は出会い厨だった。
Aさんの手口の一例を紹介したい。
まずゲーム内で知り合った相手と、チャットでゲームのことについて雑談を交わしながら最初のうちは普通にプレイするそうである。その間に相手が本当に女性であるかを探っていく。相手がネカマ(※『女性プレイヤー』を自称する男性プレイヤーのこと)の可能性があるからだ。
「ネカマは大体わかる。本当の女の子かもしれなくてもネカマっぽいと思った時点でちょっかいは出さない」(Aさん)そうだ。
さて相手が女性だと判断できたら、会話のどこかで冗談っぽく「おれエロいからなー」と伏線を張っておく。
数日かけて相手と仲良くなっていき、プライベートでも連絡ができるように「捨て垢でもいいから教えて」と連絡先を交換しておく。今では死語となったメル友というやつである。