自社の小さなサービスを大きいものに育てた

その後、アマゾンは倉庫の空きスペースを提供し、発送の代行までもするようになった。そして、アマゾンが書籍以外に対象領域を広げていくにしたがって、古本だけではなく、家電や飲料や雑貨など、あらゆる商品にもこのサービスを提供した。

リサイクル品だけでなく、新品もである。こうして個人から、企業もマーケットプレイスへ参入していったのだ。

FBAは、こうして自然発生的に生まれたものだといえる。しかし、驚くべきは、その圧倒的なスピードだ。

そこに需要さえあれば、それは購買需要であれ、サービス需要であれ、企業からの需要であれ、敏感に感じ取り、まさに光速で実現していくのだ。少しの需要を逃さず、圧倒的なスピードで形にしてしまうのがアマゾンだ。

アマゾンからすると地球上のすべての存在が顧客に見えているのかもしれない。

アマゾンは、このFBAを進出する国すべてで導入している。100ヵ国以上の出品者に利用され、国境を越え、180ヵ国以上の顧客に商品を届けている。世界全体でFBAを使った配達は年間10億アイテム以上に達している。

アマゾンには、自然と「地球で最も豊富な品揃え」ができる仕組みができていることがおわかりになったと思う。