あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?
「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。
影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。

生き残る企業は、そんなに大したことはやっていない

GAFAの中でいちばんすごいのはどこか

2015年頃から米国の株式市場で流行語になった言葉がある。GAFA(ガーファ)だ。

グーグルのG、アップルのA、フェイスブックのF、そしてアマゾンのAの頭文字を取った造語だ。これに、マイクロソフトのMを加えてGAFA+M、別名ビッグ5と呼ばれることもある。

この5社は新興企業で、時価総額が大きい。「時価総額」とは、ざっくりいうと、その会社がいくらで買えるのかという金額である。

GAFA+Mの2018年の時価総額は、1位がアップル、アマゾンは2位で3位がグーグルの親会社のアルファベット、4位にマイクロソフト。しんがりがフェイスブックだ。