あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?
「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。
影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。
アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。
デフレの原因はアマゾン
大企業が権力と膨大なデータを持つことに対する批判は古くからあるが、アマゾンの場合はドナルド・トランプ大統領までもが2016年の選挙期間中に言及しているから穏やかでない。
FOXテレビに出演した際に、「ベゾスは独禁法で私にやられると思っている。重大な違反があるからだ。アマゾンはあまりに多くの分野で独占的な地位にある」とアマゾンに矛先を向けていた。
それを受けて、実際トランプの大統領当選後に、アマゾン株は売り込まれ、一時期は1割近く株価を下げた。
もちろん、これはトランプお得意の選挙対策用の発言であるのだが、こういう発言が大衆に受け入れられるとトランプが判断するということは、それだけアメリカの中でアマゾンに嫌悪感を抱いたり、脅威と感じていたりする層が多いという裏返しだろう。