あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。

日本企業から「アマゾン」がでないワケ

アマゾンを理解することは、未来の経営学を知ることと同じ

これまでも多くの事業を手がける巨大企業は存在してきた。代表的な企業としては、米国ならばゼネラル・エレクトリック、日本ならば日立製作所などだ。

たとえば、日立製作所はもともとはモーターの製造から始まったが、現在はヘアドライヤーから原子力発電所まで同じブランドで事業を展開している。

派生した事業が、独立してグループを形成しているのだ。しかし、アマゾンが特殊なのは、各事業が独立しているところは同じだが、それが普通の複合企業よりもはるかな相乗効果を生み出し、驚異的なスピードですべてが成長を続けていることだ。

こういったアマゾンの特徴は、消費者はもちろんだが、アマゾンに関わる事業者にも利点がある。