6月の全国消費者物価指数が弱かった原因の一つNTTドコモの新料金プラン
6月の全国消費者物価指数が弱かった原因の一つとして、5月末に導入されたNTTドコモの新料金プランによる通信料の下落が挙げられる Photo by Ryosuke Shimizu

 日米の中央銀行が、それぞれの事情で「板挟み」に苦しんでいる。

 7月20日に発表された日本の6月の全国消費者物価指数は、日本銀行にとって衝撃的な弱さだった。生鮮食品とエネルギーを除いた総合指数(コアコアCPI)の前年同月比は、0.2%へ低下した。

 一足先に公表されていた東京都区部の6月の同指数は上向いていた。日銀は全国もそうなると見込んでいたが、逆の結果が出てしまった。春以降、緩やかながらも賃金は伸びているが、それが物価になかなか反映されない。

 コアコアCPIは2015年11月に1.3%まで上昇していた。日銀の通貨供給量であるマネタリーベースは当時344兆円。今年6月はそこから43%も増加した493兆円だ(異次元金融緩和策の開始時に日銀は、それが260兆円になればインフレ率は2%になると言っていた)。

 また、5年、10年、20年の国債金利を見ると、15年11月の平均はそれぞれ0.04%、0.32%、1.1%。今年6月は、マイナス0.11%、0.05%、0.52%へと低下している。

 つまり、マネー供給量は劇的に増加し、金利も顕著に低下しているのに、インフレ率は逆に下落している。これでは追加緩和を模索しても効果は期待できない。とはいえ、今の超金融緩和策を粘り強く続けると、金融機関の経営は危うくなり、次の景気後退期に金融システム危機となる恐れがある。