従来の実績連動報酬は、例えば悪くて20bp、良くて30bpのような上下の範囲が狭いマイルドなものだったが、今度の成功報酬はかなり大胆な差がつくものになっている。

 記事は、「GPIFに運用を任せている国民から見れば、目標水準の収益すら達成できない機関投資家に、眠り口銭のような運用報酬を払うのは許せないだろう。その意味でGPIFの動きは興味深い」という。

 冷静に考えると、機関投資家が「目標水準の収益すら達成できない場合」に、より「許せない」と思うべきは、運用報酬を支払うこと以上に、その運用機関を選んだGPIFであるようにも思えるが、今回、調整を試みるのは運用機関に支払う報酬の仕組みの方である。

 また記事の文末は、「機関投資家もねじり鉢巻きをして運用に取り組むのではないか」と、何とも素朴に締めくくられている。ねじり鉢巻きで「頑張る」ことでリターンが改善するなら運用は簡単だが、そうはいかないので運用機関もGPIFのような運用の委託者も困っているのだ。この文末は、運用関係者と読者を軽くからかっているようでもある。

成功報酬の影響と効果

 さて、アクティブ運用に強化された成功報酬を導入することで、GPIFは何を得るだろうか。

 結果は、もちろん「運」もあろうが、アクティブ運用を委託された機関投資家がどのようにリスクを取るのかに依存するだろう。

 これまでと同程度のリスクを取って、これまでの運用スタイルと一貫した運用がなされる場合、GPIFはアクティブ運用の手数料を節約できることになるのではないか。

 先の記事によると、GPIFの国内株式アクティブ運用部分のパフォーマンスは、過去10年で、ベンチマークに対して5勝5敗なのだという。要は、多くの運用機関が建前上「目指す」と言っている対ベンチマークの超過収益率2%はおろか、ベンチマークとの勝負自体、勝てるか勝てないか怪しいものなのだ。