ソニーの最強伝説が再び?2年連続で最高益を狙う事業構造の強みとは
ソニーは2018年度通期の見通しを上方修正し、最終利益が2年続けて過去最高を達成する見通しを示した。なぜここまで復活を遂げることができたのだろうか Photo:DOL

いったいどこが強くなったのか?
ソニー絶好調の理由を探る

 2018年7月31日、ソニーが2018年度第一四半期の決算発表を行った。その場で一番重要なメッセージになったのは「2018年度通期の決算見通しを上方修正した結果、最終利益が2年続けて過去最高を更新する見通しになった」ということだ。

 ソニーは昨年度の決算で、1998年度に叩き出した過去最高の営業利益5257億円を20年ぶりに大幅更新し、7349億円にまで伸ばしていた。そのため、今年度のそもそもの見通しは「わずかに減収減益もいたしかたない」という計画だった。それが、営業減益予想は据え置いたものの、堅調な最終増益達成の見通しを発表するに至った。

 そもそも「減益か増益か」は投資家が一番気にするところなので、その発表は当然ながら慎重に行われる。にもかかわらず第一四半期の段階で上方修正したということは、実際には経営陣は発表以上にその達成に自信があると見てよい。

 改めて「ソニーのどこが強くなったのか」をIR資料から紐解いてみよう。実は、今回上方修正した業績見通しをセグメントごとに見ると、ほとんどの事業セグメントの利益への貢献度は、昨年とそれほど大きくは変わらない。これは、ソニーの構造が安定しているためと言っていい。

 決算資料の中で唯一目をひくのは、ゲーム&ネットワークサービス事業が大幅に売り上げを伸ばしていることだ。第一四半期では売上高が約4721億円と昨年度から36%の売り上げ増。営業利益は前年度4.7倍の約835億円。1つヒットが生まれても収益が大きく変わるのがゲームの世界だ。利益に関して言えば、前年同期と比べた約657億円分の増益分がほぼ、ソニー全体の年間増益分としてあてにされている。

 前述の通り、他の事業セグメントの利益貢献は構造的には前年度と変わらない。言い換えると、ゲームがヒットした以外は昨年並みの堅調な収益構造となる。

 分野ごとに見ると、音楽事業は大きく利益を生んでいる。半導体デバイスは相変わらずの高利益率。カメラなどのイメージング・プロダクツも収入規模は小ぶりながら利益率は高い。ソニー生命に代表される金融ビジネスも利益が大きい。これらの個々の事業セグメントが堅調に稼ぐことで、ソニーという会社の利益構造が安定しているのだ。

 一方で、テレビに代表されるホームエンタテインメント&サウンド事業は、利益率という面では他事業と比較して苦戦している。映画事業は第一四半期は赤字で、年間を通じてもそれほどは利益率は高くない。そして、スマホに代表されるモバイル・コミュニケ―ン事業は、相変わらず赤字構造にある。