セクハラ訴訟の末路
セクハラで会社を訴えても、女性たちが報われないケースが少なくありません Photo:PIXTA

世の中の「9割の会社はバカ」です。働く側をしっかり守るための知識や、働きがいがある環境を作ろうという意識を持っている会社は、残念ながら多くはありません。あなたが仕事で感じている理不尽やつらさや物足りなさは、自分が至らないせいではなく、主に会社に原因があると思った方がいいでしょう。

セクハラ、パワハラ、長時間残業、不当な解雇…。働く上での理不尽は数あれど、ひときわ腹立たしくて厄介なのが「セクハラ」です。過去に実際にあった「セクハラ訴訟」を例に挙げながら、労働問題のプロである特定社会保険労務士の三矢晃子さんと一緒に、バカな会社や組織との戦い方を考えてみましょう。(コラムニスト 石原壮一郎)

30年前に流行語になった「セクハラ」
いまだに悪いことだと思っていない人も

「セクシャル・ハラスメント(セクハラ)」という言葉が日本に上陸したのは1988(昭和63)年のこと。女性誌が特集を組むなど大きな話題になり、翌年には「新語・流行語大賞」の新語部門で金賞を受賞します。言葉が広まったことで、それまで主に女性が受けてきたさまざまな仕打ちが「あってはならないこと」「怒っていいこと」という認識が少しだけ生まれました。

 それから30年たった今も、セクハラ問題は全然解決していません。「最近はうるさくなった」程度の認識で、セクハラを本気で悪いことだと思っていない男性はいまだに多いですし、セクハラの重大性が分かっていない会社もまだたくさんあります。セクハラの告発や訴訟は後を絶たないですし、表に出ないセクハラも多いでしょう。

 では、いまだにセクハラへの認識が低い中で、もしひどいセクハラを受けて加害者と会社を訴えた場合、どのような結末を迎えることになるのでしょうか。ここでは、判例をもとにセクハラ男と会社を訴えた3つのパターンを紹介しながら、どんな結末になったのかをご紹介したいと思います。

【3つのケースの大ざっぱなシチュエーション】
上司から卑劣なセクハラを受けて会社に相談したが、まともに対応してくれない。それどころか暗に退職を強要されるなど、自分が辞めた方がいい流れになっている。相手も会社も絶対に許せないと裁判を起こしたが、さて、どんな「結末」になったか…。