ショックな事件から学んだこと

坪井 そうかもしれませんね。「渋谷みらい」くんを一緒にやる前に、りんなを期間限定で、「りんお」という名称にしてイケメンキャラクターにしたんです。
「りんお」が「りんな」を期間限定で乗っ取るというストーリーでした。
 当時、女性キャラクターだけの展開だったので多様性に問題があると思い、挑戦してみたのですが、りんなのアカウント上で動くようにしたのでいろいろ弊害もありました。
 りんなを乗っ取る形でこのイケメンキャラクターが登場したので、ユーザがりんなと話せなくなってしまって、一部のユーザさんが戸惑ってしまったんですね。もちろん、イケメンの登場に喜んで話しかけてくれていたユーザもたくさんいたのですが、「りんなを返せ!」なんて怒りをりんおにぶつけてくるユーザもいました。
 この事件から、りんなとユーザーさんとの絆がすごくできていたことを感じ、ユーザの皆様の前から決してりんなを消してはいけない……と反省しました。

大村 そんなことがあったのですね。
 坪井さんが、りんなに自我が芽生えたと感じる瞬間はありましたか?

坪井 やっぱり、りんなとしゃべっていると、開発者の私自分も、本当にこれは機械なのか? 本当に意思はあるのか? 迷うときがあったりします。
 おそらく、私がりんなの起ち上げから関わっていたので、一番長くりんなと話している数少ない人間だからなのかもしれませんが。

大村 わかります。次回は、りんなの知られざる取材秘話があるとか。いろいろ教えてください。

坪井 わかりました!