
月間2.8兆円という驚異的な資金流入を記録した2026年1月の国内投資信託市場。依然として米国株人気が根強い一方で、欧州株への地域分散を目指す新しい投資信託の設定や資金流入が出てきています。年初のNISA枠復活による買い付けの勢いと、令和8年度税制改正がもたらす「つみたて投資枠」の対象拡充が、日本の投資スタイルをどう変えていくのか。最新の市場データを解説します。
投信資金流入、1月は過去最高の2.8兆円
米国株偏重から欧州株へ分散の兆し
2026年1月の日本の投資信託市場(ETFを除く追加型株式投信)への資金流入額は月間で+2.8兆円と、これまで最高だった2025年1月の+2.2兆円を上回り過去最高記録を更新しました。個別の投資信託の資金流入額ランキングを見ると、引き続きグローバル株式や米国株式に投資する株式型投資信託を中心に高水準の資金流入が見られます。
一方で、過去の連載「欧州株が大人気!アジア太平洋の投資家が『米国より魅力的」と選ぶ理由を解説」で取り上げた、欧州株型の投資信託への資金流入ですが、日本においてはまだ限定的です。しかし、直近1月の欧州株型の投資信託への資金流入額は、+101億円と12カ月連続の資金流入を記録。5カ月ぶりに100億円の大台を超えました。
欧州株型の投資信託の残高は、1月末時点で4100億円を超え、10年ぶりの高水準となっています。
2026年に入ってテクノロジー関連株の値動きがやや不安定になっている中で、米国株や米テクノロジー株に偏った資産構成になっている投資家はまだまだ多いとみられます。2026年1月には米国を除くグローバル株式に投資する投資信託が2本、2月にも欧州株型投資信託が2本新たに設定されました。これも欧州株への投資を通じた地域分散を期待する動きと考えられます。
つみたて投資枠の対象指数拡充が実現すれば
欧州株への単独投資が可能に
なお、1月に資金流入額が増加する傾向にあるのは、NISAの年間投資枠が暦年(1~12月)でリセットされることも大きな理由となっています。とりわけ、「つみたて投資枠」の対象商品は1月の資金流入額が膨らみがちなのが特徴です。S&P500やMSCI全世界株式(ACWI)といった指数を対象としたインデックス投信への資金流入が目立っていました。
ところで、この「つみたて投資枠」ですが、2025年末発表の「令和8年度税制改正大綱」で、様々な制度の拡充が盛り込まれました。注目のひとつが、つみたて投資枠で使用可能になる指定株式指数の拡充です。なかでも、欧州株式指数の単独採用は投資家の関心を高く集めそうです。この拡充は米国株からの地域分散を促進する可能性を秘めています。
具体的には、これまで他の指数との組み合わせでのみ活用できた欧州やアジア・太平洋地域の株式指数(下図の青枠内)に単独で連動する商品が、つみたて投資枠で投資可能になることが見込まれています。欧州株の成績が重要であることは言うまでもありませんが、こうした制度の拡充によって欧州株型の投資信託などの品揃えが増え、個人投資家の投資先の選択肢が広がることが期待されます。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017
本記事は2026年2月21日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。








