処方箋はあるか
――我々は子どもに与えたダメージを元に戻すことはできません。マイナスの効果から子どもを守るには親は家庭で何ができるでしょうか。
エイケン いくつかあります。例えば、12歳未満の子どもにはスマートフォンを与えるべきではないというような一般合意を作るとか、8歳から12歳まではおもちゃのスマートフォンを持たせるとか。それにはカメラもついていないし、ネット検索能力もありません。それだけで多くの問題を取り除くことになります。
単にテクノロジーに対する中毒ではありません。彼らがアクセスできるコンテンツも問題です。ハードコアポルノや暴力やヘイトスピーチなど、そういうコンテンツからも子どもを守らないといけません。拒食症、自殺など自傷コンテンツにも子どもにアクセスを大人が許す理由は全くありません。子どもが自分で自分を切って鮮血を見る。それに対して「いいね!」をもらう。こうした異常行動がテクノロジーによって社会化されていくのです。
それに限らず、まず親に言いたいことは、私の本を読むことです(笑)。そこには幼児からティーンエイジャーに至るまでわかりやすくマイナス面を説明しています。
私は孤独な声にはなりたくありません、日本政府が私に来日してアドバイスしてほしいと言うなら、喜んで行きます。教育分野にせよ、コミュニケーション分野にせよ。衛生分野にせよ、関係がある大臣に直接会ってアドバイスしたいと思っています。日本社会が子どもに期待することを反映するようなプロトコルを日本の子どもたちのために作りたいと思います。
というのも文化がサイバー空間でも影響を受けるからです。自国文化の価値観を子どもたちが体現するように成長して欲しいと思います。私はアイルランドに住んでいるので、アイルランドの子どもには、我々にとって重要な価値観を持って欲しいと思います。日本にみなさんもきっとそうでしょう?