「いったい何歳から子どもにはスマホやタブレットを持たせてもよいのか。動画やゲームに依存してしまったり、成長面で問題が出る心配はないのか」。せがまれればためらいながら使わせてはいるものの、漠然と不安と抵抗を感じている親は多い。世界中の子どもの親が直面するこの問題に、科学的にはっきりとした指針はないものなのか。
世界的サイバー心理学者として知られるメアリー・エイケン博士が、デジタル・テクノロジーが人間にどのような影響を与えるか、とりわけ子どもの成長への影響を発達段階ごとに見ながら、子育ての中での影響を科学的にまとめた話題の新刊『サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される――いまの科学が証明した子育てへの影響の真実』から、一部抜粋して紹介する。
若者は、オンラインで
なぜ露出の大きい写真を見せるのか
ティーンエージャーの少女は自分を大人に見せるために、挑発的な服を着ようとするとよく言われるが、最近ではその傾向が極端なものになりつつある。これにはインターネットが持つ、極端な行動でも常態化させてしまうという効果が関係していると、私は考えている。
オンライン上のファッションは、より露出の大きい、過激なものになっており、セクスティングもさらに流行しつつある(米国のティーンエージャーの半数が、それを送ったり、受け取ったりしたことがあると報告されている)状況では、それが現実世界でティーンエージャーが着る服にも影響を及ぼしていると考えられるだろう。ただ当然ながら、何が「挑発的」かは主観的なものだ。
このテーマについて話そうとすると、私はいつも地球温暖化の議論を思い出す。地球の平均気温は上昇傾向にあるが、その変化は少しずつ進行しているため(そして人間は段階的な変化に慣れてしまうため)、気づくのは難しい。しかし「昨年は史上最も暑い年でした」といったコメントを聞けば、変化を意識することができるだろう。
そして、「ティーンエージャーが着る服は以前より挑発的なものになっている」と言えることについては、疑問の余地はないと私は考えている。
ティーンエージャーにとって、どこまでが許容される範囲で、どこからが「ティーンエージャーにはセクシー過ぎる」となるのだろうか?
私は最近の研究において、デジタル画像のサンプルを評価して、いくつかの行動要因を分析する必要があった。その中の一つが、画像内に写っている若者が着ている服が「性的に挑発的かどうか」を判断するというものだった。
100枚の画像を見たところで、私はギブアップした。
非常に丈の短いショートパンツやミニスカート、ハイヒール、へそ出しファッション、プレイボーイのバニーロゴ、Tバックを11歳の少女が身に着けていたときに、それがどれほどの挑発度を持つのかを判断したかったのだが、研究者の目で見るとバイアスがかかってしまうとはっきりわかったのだ。
つまり、それを客観的な形では研究できないということだ。単純に言えば、私は若いティーンエージャーが、挑発的な衣服を着てオンライン上で公開するという傾向を問題だと考えている。