年前半回復期待のジンクス
今年1-3月期は世界的に景気回復期待が生じ、株高だった。振り返れば、2009年3月にもバーナンキFRB議長の発言から、米国で「green shoot」(春の芽生え)とする株価上昇局面が生じたことがあったが、今年の春もそれを思い起こす市場の高揚感が生じていた。
過去のパターンは、金融緩和を中心とした景気刺激策を市場が好感し、株式価格上昇、長期金利上昇、コモディティ価格上昇が生じるが、その副作用として金融政策のエクジット期待での長期金利上昇とガソリン価格上昇が生じる。
その結果、個人消費などへの負の影響が生じたことが反転のきっかけになっていた。また、2010年以降はギリシャを中心とした欧州問題の不安が生じ、2011年は日本の震災も不確実性を高める要因に加わった。すなわち、以下のように年前半に、
政策対応で楽観的な期待改善⇒株価上昇⇒コモディティ上昇⇒金融の出口論⇒長期金利上昇
を繰り返した。
同様に、過去5年間の債券市場のバイオリズムは、金融面のカンフル剤投入を期待して長期金利が大幅に低下し、実際に投入されると金利・株価が反転することを繰り返した。
今回は、グローバルな規模で、2011年12月のECBの3年の大量資金供給(LTRO)開始、次いで2012年1月のFRBのインフレターゲットに2月の日銀の緩和が五月雨のようにつながったことが、グローバルなマインド改善に寄与したと考えられる。