FRBは1月25日、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の先行きの予想を公開した。声明文では「経済環境は異例に低いFF金利の水準が、少なくとも2014年遅くまで続くことを保証するだろう」と説明された。
その文章を受けて、多くのマスメディアは「14年末まで現行のゼロ金利政策(0~0.25%)を続ける」と報じた。しかし、FRBはじつはそうは言っていない。
FOMCに参加している17人(理事5人、地区連銀総裁12人)のうち、「14年末時点でゼロ金利は解除されている」と予想したメンバーは11人、全体の約3分の2もいた。しかも14年末までに複数回の利上げを予想した人は9人だ。17人の予想金利の加重平均は、13年末で0.56%、14年末で1.12%。それなのになぜFRBは声明文に「異例に低いFF金利の水準が、少なくとも14年遅くまで続く」と書いたのだろうか?
じつは、「異例に低いFF金利の水準」とはゼロ金利のことではない。バーナンキ議長は記者会見で、「14年末のFF金利を11人の参加者は1%未満、他の6人は1%以上と予想している。実際のところ、それらの判断が本日の声明文に反映された」と述べていた。1%未満が11人もいるので、おおよそ「異例の低金利」と言ってよいでしょう、と説明していた。