人とのコミュケーションで
いろんな道が開けた

Yumi:それから、今の活動までどのようにつながってきたんでしょうか。

伊藤:路上でそうやって、多くの人と仲良くなるうちに、そういう人たちの紹介で、イベントで書いてくれないかとか、ワークショップを開いてくれないか、と声がかかることが多くなりました。

Yumi:具体的にはどんなことをしたんですか?

伊藤:トークライブで話した後にその場で書をかいたり、百貨店の催事場で、書を実演販売したり。夏休みのイベントで、子どもと一緒に墨で文字を書いて、うちわを作るということもやりました。

Yumi:いろんなイベントをされてきたんですね。

伊藤:そうやって、応援してくれる人が少しずつ増えてきて、さらに、その応援してくれる人同志が仲良くなったりして、輪が広がる、というんでしょうか。今振り返っても、路上に座って、声をかけていて本当に良かったと思います。

Yumi:そうやって活動するうちに、活動の舞台が海外にも広がったんですよね。フランス、イタリア、スイス、NY、台湾など、世界主要都市から、認められていますが、言葉の壁はなかったんですか?

伊藤:2013年にスイスのアートフェスに参加してから、これをきっかけに海外で活動することも増えました。でもどこへ行っても「あいさつができる」「感謝の気持ちがある」それがあれば、コミュニケーションは円滑になるんです。

Yumi:海外でもあいさつが大事なんですね。

伊藤:ミラノ万博でイタリアに行ったときもイタリア語は話せませんでした。でも「グラッチェ(ありがとう)」「ボンジョルノ(こんにちは)」とか、あと「またね」とか3つか4つの言葉だけでなんとかなることがわかったんです。

Yumi:そうなんですね。

伊藤:小さいころに、自分からあいさつができなくて、日本で苦しんでいたのはなんだったのか、と思いました(笑)。

話が逸れるかもしれませんが、僕は今も三重県の松阪に住んでいます。小さいアパートの一室でも世界とつながっています。子どもたちは、海外とつながるなんて無理だって思っているんですが、そんなことはない。自分の思い込みさえ外れれば、世界は近いんだってことを知ってほしいと思いますね。

(続く)

伊藤潤一さん対談【2】女子高生、サラリーマン、外国人に頼まれて「書」を書くということ
伊藤潤一さん対談【2】女子高生、サラリーマン、外国人に頼まれて「書」を書くということYumi
年間約150本以上、動員数で言えば年間30万人以上の韓国関連イベントのMCなどを務める。歯科衛生士、裁判所の法廷通訳、北新地でバー経営という異色の経歴を持つ。関西でラジオDJ、テレビのリポーターやMCなどを経験後、韓流ブームと共に、イメケン揃いのスターのMC、通訳などを担当、女性ファンから慕われている。また語学スクール『ウリアカデミー』にて韓国語講師をつとめ、自身のトークライブ「Yumiサロン」を不定期に開催(次回は9/4に開催)、歌やドラムなどマルチに活躍。著書に『初対面でも盛り上がる! Yumi式会話力で愛される29のルール』他 ツイッター @Yumi_nuna