「もしも、打てなかったら?」→レッドソックス吉田正尚が「妻に返した言葉」がレベチだった!写真:本間寛(『決断―カンボジア72時間―』より)

2015年にドラフト1位でオリックス・バファローズに入団後、輝かしい成績を残し、2026年にはWBC日本代表に選出されたメジャーリーガーの吉田正尚選手。メジャー移籍後には激しい誹謗中傷に晒されながらも、動じることなく結果を出し続けてきた。なぜ、彼はここまで強くいられるのか。パートナーのゆり香夫人、そして高校時代からその姿を知るオリックス・バファローズの山田修義投手が吉田の強さの本質を明かす。※本稿は、メジャーリーガーの吉田正尚、ノンフィクションライターの長谷川晶一『決断―カンボジア72時間―』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。

重圧がかかる場面でも
吉田正尚に雑念は入らない

 吉田正尚の性格について、「他人に感情移入する部分がない」と、夫人は言った。

 この言葉だけを聞けば、「人の気持ちが理解できない冷たい人」という印象を持たれかねない。もちろん、決してそんな意味ではない。ゆり香夫人が説明する。

「“他人に感情移入する部分がない”という趣旨は、“彼は自分の意志にのみ従って生きているタイプ”ということです。他人の目はもちろん、身内の意見でさえも気にならないし、気にしない。“人の立場になって考えられない”という言い方は語弊があるけど、“他人の目が気にならない”と言えばいいのかな?まったく、そういうことを気にしないんです」

 続けて、具体例を挙げた。

「具体的に言うと、“ここで打てなければチームは負けてしまう”というプレッシャーがかかる場面では、“打てなかったらどうしよう?”とか、“周りの期待に応えられなかったら……”とか、普通は思うじゃないですか。でも主人の場合は違うんです。まったくそれがないんです」

 あるとき、ゆり香さんは「ここが勝負の分かれ道だという場面では、どんなことを考えて打席に入っているの?」と夫に尋ねたという。