キャリアアップにつながらない資格、勉強その勉強、本当にあなたのキャリアアップにつながっているでしょうか? Photo:PIXTA

キャリアのための学習は
実務とセットでなければ意味がない

 仕事における学習の重要性は今さら説明するまでもありません。とくに変化の激しい分野ではどんどん知識が陳腐化していきますし、人生100年時代を迎え、ミドルやシニアになっても継続的な学習が必要な時代となっています。

 ただし、ご自身のキャリアにとって、その学習がどれだけの意味があるのだろうか、と疑問を持たざるを得ないケースもあります。

 例えば、MBAホルダーのなかでもプレゼンテーションがいま一つだったり、相手をその気にさせる説得力が話に欠けていたりする人を見かけることがあります。これではMBAの取得を通してその時々の経済や経営の状況を分析し、一定の方向性やビジョンを考えられる方法を身に付けたとしても宝の持ち腐れになってしまいます。

 いくら机上でビジョンを描けたとしても、経営者を説得したり周囲を巻き込んだりして、それを推進し実行に移せなければ意味がありません。そうした能力は日々の仕事のなかで厳しい上司やお客様から怒られたりやり直しを命じられたりする経験を経て身に付いていくものです。

 もちろんすべてのMBAホルダーの評価はいま一つだ、と言っているのではありません。転職市場では戦略コンサルタントが高く評価されており、そのなかには少なからぬMBAホルダーが含まれています。

 その人たちはMBAで学んだ知識や理論を活用して限られた時間のなかでアウトプットし、うまくいったら顧客から感謝され、失敗したら怒られ下手をすれば損害を与えるというサイクルを短期間で高い緊張感のなか、数多く回しています。

 単にMBAを取りました、というだけに留まっている人との違いはそこにあります。結局、仕事の実力やキャリアを発展させることを目的とした学習は、実際の業務とセットでなければあまり意味がないのだと思います。