近年、健康志向の高まりや食育ブームなどもあって、注目されている「管理栄養士」。その職業に対する世間一般的なイメージとしては、「専門性が高いので給料が良さそう」「国家資格なので就職先はいくらでもありそう」といったポジティブなものだろう。今回紹介する3人の女性も、そんな未来に憧れて業界入りしたのだが、あまりの現実に愕然としたという。(清談社 岡田光雄)

そもそも栄養士と
管理栄養士の違いって何?

国家資格なのに稼げない!脱落者続出「管理栄養士」の受難イマイチ認知度が低いため、職場で不当な扱いをされることが少なくない管理栄養士たち。国家資格なのに…というぼやきが聞こえてきそうです

 まずは栄養士と管理栄養士の違いについてご存じだろうか。

 端的に説明すると、栄養士は都道府県知事の免許を受けた国家資格で、主に健康な人を対象に栄養指導・給食管理を行う職業。一方の管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、傷病者など個々の症状や体質を考慮しながら同行為を行う職業だ。病院や介護施設などは栄養士がどれだけ在籍していようが、必ず一定数の管理栄養士を雇わなければならない。

 管理栄養士になるためには、2つのルートがある。1つ目はやや遠回りだが、栄養士養成施設(専門学校や短大)に入学して栄養士資格を取得。卒業後1~3年以上の実務経験を経れば管理栄養士国家試験受験資格を得られるので、ここから試験に合格するという方法。

 2つ目は最短ルートで、管理栄養士養成施設(4年制の専門学校か4年制大学)に入学すれば、栄養士資格と管理栄養士国家試験受験資格(実務経験免除)の両方を得られるので、試験に合格すれば晴れて管理栄養士になることができる。

 厚生労働省の統計によれば、管理栄養士免許交付数は累計で約20万人(2015年12月時点)となっており、毎年新たに約1万人ずつ増えている状況だ。

 後述の3人の女性は、某有名私大(管理栄養士養成施設)に現役で合格して管理栄養士国家試験にも一発合格を果たし、業界内ではある意味、エリート街道を歩んできたキャリアの持ち主である。