日本初のアスリート向け本格的「スポーツ弁当」
このプロジェクトは、「SOHOしずおか」で働いていた当時、女性を対象にした「SOHOランチ」というセミナーに、こばたてるみさん(現・株式会社しょくスポーツ代表取締役)という公認スポーツ栄養士の方がたまたま参加してくれたことがきっかけで生まれたものです。
公認スポーツ栄養士とは、専門職の中でも滅多にお会いできないスペシャリストです。そのような逸材が静岡にいたことに驚いたと同時に、そのオンリーワン要素を活かすことで、きっと何か素晴らしいことができるに違いないと思いました。
それで誕生したのが、おそらく日本初のアスリート向け本格的「スポーツ弁当」です。当時はスポーツ選手向けの食品といえば数えるほどしかなく、その珍しさから、開発段階からメディアもこぞって記事として取り上げてくれました。
それにより知名度も高まり、2003年に開催された静岡国体においては、期間中の10日間に3万食が完売という大ヒット商品になったのです。
さらに同年、彼女は一般社団法人静岡ニュービジネス協議会が開催する「静岡県ニュービジネス大賞」において見事大賞に輝きました。個人が受賞するというのはこれが初めてのことだったようです。
中小企業、小規模事業者が生き残るためにはオリジナリティが大事だとは思っていたのですが、この一件によってそのことに確信が持てるようになりました。企業支援に携わる者としての大きな自信にもなりました。
そのときから今に至るまで常に述べているのが、先述した成功の3要素、「オンリーワンである」こと、「継続する情熱がある」こと、「行動力がある」ことです。じつはこれは、既存の企業が新たに事業を立ち上げたり、新商品の開発・展開をする場合においても必要なことです。
中でもオンリーワンは絶対的な強みとなります。ただし、それは、「業界初」「世界初」といった極めて特別なものである必要はありません。じつはオンリーワンとは、どんな企業や人の中にもすでに存在しているものなのです。