池上 彰氏 Photo:SANKEI
私たち日本人にとって「文字を書く」ことはあまりにも当たり前だ。しかし、「相手にきちんと伝わる文章」の書き方を体系的に学ぶ機会は、意外なほど少ないのではないだろうか。難解なニュースを平易に解説する著書を数多く手がけてきた池上彰氏は、執筆の際に何を意識しているのか。文章を書くうえで大切な4つのポイントを、本人がわかりやすく解説する。※本稿は、ジャーナリストの池上 彰『池上彰が話す前に考えていること』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
文章を書くときは
小分けにして1つずつ
わかりやすく簡潔に伝えるコツは「一度に欲張らないこと」。
あなたが運送屋さんで、とある場所に届ける荷物が抱えきれないほどあるとしましょう。無理して一度に運ぼうとすると、大事な荷物の一部をうっかり落としてしまうリスクがありますね。こんな時こそ「急がば回れ」。小分けにして丁寧に運んだほうがより速く確実に届けられると思うのです。
文章も同じこと。欲張らず、1つの文に盛り込む要素は1つまでと決めて、文を短く区切る。
話し言葉も同様です。1つの文が長くなるほど、焦点がブレて何を伝えたいのかがわかりにくくなります。プレゼンテーションやスピーチに苦手意識がある人は、一つひとつの文をなるべく短く区切り、それを重ねる話し方を心がけてみてください。
ゴールを想定してから
原稿を書き始める
「どんな原稿になるのか、考えながら取材すること」
新人記者時代、先輩からこんなふうに教わりました。やみくもに駆け回るのではなく、「ゴール地点を念頭に置いて走る」ということですね。
ニュース原稿に必要な「5W1H(=いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」をパズルのピースのように組み立てながら取材を進めていると、どんな要素が不足しているのか、それを補うために何をすべきかがわかってきます。







