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ドンキホーテホールディングスとカジュアル衣料専門店のしまむらのデジタル戦略の違いは――。2社は流通業界で同じように、品ぞろえ型の店舗を重視、商品を探す楽しみを提供してきたということもあって出遅れていたのがデジタル戦略だ。しかし重い腰を上げたドンキとしまむらは、今年からデジタル戦略を本格展開に乗り出す。ネット通販でEC(電子商取引)を軸に据えるしまむらに対し、ECは縮小方向で店舗のデジタル化を推進するドンキ。両社のデジタル戦略はハッキリと分かれてきた。(流通ジャーナリスト 森山真二)

非合理性の極地にあるドンキ
店舗のデジタル化戦略を推進

「(流通業は)合理性か非合理性か。どちらかだ。中途半端では生き残れない」。ドンキの大原孝治社長はこう言い切る。ネットを主戦場に合理性の極致を追求するアマゾンに対し、流通業でいえば店舗を重視して幅広い品ぞろえを維持。非合理性の極致にいるのがドンキといえるだろう。

 圧縮陳列と呼ぶ“胡散くささ”が漂うジャングルのような売り場づくり。買い物に楽しさ、安売りの商品を探す楽しみを織り込んできたのがドンキだ。

 そのため、今回発表されたデジタル戦略でも「店舗重視」のスタンスは貫かれ、得意の店舗での“賑わい”をブラッシュアップするような戦略である。

「デジタル対応は時代の変化への対応」(大原社長)というように、基本の売り場づくりは変更せず、買い物をする楽しさ、さらに買い物を楽に便利にしようという、デジタル化にあたっての開発意図が垣間見える。

 店舗のデジタル化戦略「マジカデジタルプラットフォーム」では、年内にも実験店を開く見通しだ。店舗では自動車のナンバーを認識し、チケットレスで駐車場の開閉ゲートが自動的にオープンする機能や、入店時の「顔認証でデジタル接客の精度向上」という項目がある。