夫の問題は、もしかしたら生い立ちにあるのではないかと思って話を聞いた。夫の浪費癖は学生時代に母親を亡くして寂しい思いをして育ったことが少なからず起因しているようだ。つまり、母親に認めてもらいたいという願望が根強く残っており、結婚後、今度は妻に認めてもらいたいという自己承認欲求が強いのだ。

 一方、妻は父が銀行員の家庭に育ち、子どもの教育費や家の購入など将来の目標に向けてお金を貯めることを最優先する合理主義だったのである。

 今を楽しんで自己主張するタイプの夫と、合理主義タイプの妻という真逆に近い価値観の夫婦は合わないから不安だと思うだろうが、心配する必要はない。夫婦がすれ違わないようにするには、夫婦が同じベクトルに向かうように、お互いの育った環境や置かれている立場をそれぞれ理解し、コミュニケーションがとれるように尽力すればいい。

 そのためにはできれば、早いうちからお互いの価値観を察知できたほうが、結婚後もスムーズだろう。実は、出会った頃からサインはたくさん転がっている。

食事をおごってもらう際
どこを見たらいいのか?

 結婚相談所ではお見合い(デート)の際、まずは男性がおごるように指導するという。なぜなら結婚を前提にお付き合いをするかどうか、将来の家庭に対して責任をとれるかどうかという判断基準が重要な鍵になるからである。つまりデート中、お箸の持ち方でしつけや礼儀作法が見えてくるように、お金の払い方でも相手の姿勢をチェックできるのだ。

 デート時に、相手に不快感や違和感を与えてしまえば、次のデートにつながらない。以下ではAさんとBさん(いずれも男性)の例から見てみよう。

 Aさんは、初デートのランチでホテルを選び、1人5000 円相当のコースを選んだ。そしてクレジットカードで支払いを済ませると、相手の前をスタスタと歩いていった。

 女性は、Aさんが有名人とゴルフを一緒にやった話を聞き、すごい人だと思ったものの、おごり方を通じて、見栄っ張りだと思ったことに加え、結婚後の家庭をイメージした時に夫婦で協力できるかどうか不安になったために、次回以降のデートを断ったという。