結婚相談所を訪れると男性はたいてい年収や資産を聞かれる。なぜなら女性は経済的視点でパートナーを選ぶからであるが、どうやらそれはもう時代遅れと言わざるを得ない。年収基準にこだわらず、幸せな家庭を築くためにはどんな点にポイントを置いたらいいのかについて述べてみたい。(ファイナンシャルプランナー 吹田朝子)
なぜ年収で相手を選ぶ
結婚が時代遅れなのか
「現在の年収は○百万円です」
今後の何十年もの人生を考える上で、パートナーの年収に関してこのような情報は果たしてどれぐらい信ぴょう性があるのだろうか?その情報は、ただ単に昨年や今年の一時点で見た実績にすぎない。将来に対して何の保証もないと言われるのはなぜか。考えられる主な理由としては2つある。
(1)転職する割合が高くなった
25歳から39歳までを対象に転職経験がある人の割合を調べたところ、52.5%という結果が出ている(転職サイト「DODA」の実態調査)。婚活世代も転職する人が多いことは、容易に想像がつくだろう。今後、ITやAIが一層進化すれば、2人に1人の割合で仕事が大きく変わる可能性があると言われており、将来的には今よりも転職する割合が高まるだろう。
(2)安定企業や年収が高い企業で勤めていても、病気になることも…
「うつ病患者数」は、ここ10年の間に世界で18%も増えており(2017年WHO調査)、日本でも3年前より16%増と急増している(厚生労働省2016年「患者調査」)。近年、社会に認知されるようになった「新型うつ」は、仕事になると体調が悪くなり、遊ぶ時には何の支障もないのが特徴。特に安定の代名詞と言われる公務員や大企業の社員に多く見られるようだ。
このように、公務員であれ、有名企業や大企業に勤めている人であれ、医者や士業といった専門職等の高収入の人であれ、今後どんな変化があるかはわからない。今の年収を判断基準にすることがどれだけリスクが大きいのか。