製薬中堅である大正製薬の発毛剤「リアップ」(第1類医薬品)の後発品(ジェネリック医薬品)がついに登場した。発売延期の苦節を乗り越え、男性用シャンプー大手アンファーが8月8日、初の後発品「スカルプD メディカルミノキ5」(同)を発売したのである。
日本で初めて壮年性脱毛症で発毛効果が認められたOTC(大衆薬)として約20年、リアップはOTCの発毛剤市場を独占してきた。後発品はリアップと同様に発毛効果が認められている成分「ミノキシジル」が含まれている。
2017年10月2日、アンファーは有名タレントを使って華々しく新製品発表会を開いた。ところがその翌日、つまり発売前日の夜に製品説明書の効果、効能を示す一部の図に不備が判明して発売延期になった。そのドタバタぶりに、OTC業界関係者からは「しょせん、新参者のやること」と冷めた声が聞こえていた。
アンファーは「二度と不備が見つからぬよう徹底的にチェック」(同社関係者)し、1年かけて発売を仕切り直した。その間に、製薬中堅のロート製薬や後発品メーカーなど複数社が、後発品の製造販売承認を取得。「初のリアップ後発品」の称号を得るのがどこになるか、業界関係者の注目の的となっていた。
何とかアンファーが初のポジションを取り、初年度売上高20億円を目指す。