遊びからカルチャーへ

 ヨーロッパの一部では、クラブをパフォーマンススペースとして捉え、アートとして国や市町が出資をしている。

 例えば、オランダの首都アムステルダムでは、「ナイトメイヤー」(夜の市長)という、ナイトカルチャーを管理する役職が存在する。「ナイトメイヤーサミット」では、映像、音楽などを制作する若い世代が、自分たちも活動の意義と魅力を答弁する。一つのカルチャーとして、いかに波及効果があるかをアピールするためだ。

 クラブシーンを「遊び」でなく、一つの文化として捉えること。それが日本におけるナイトカルチャーの敷居の高さや世代間のギャップを改善するきっかけになるのではないか。

夜遊び=クラブ という偏見

 ここまでナイトカルチャーの具体例としてクラブを挙げ続けているが、それこそが偏った見方かもしれない。

 90年代の夜遊びを体感してきた伏谷さんは、サードプレイスとしてのナイトカルチャーを語った。

 サードプレイスとは、家でも学校や職場でもない第三の居場所のこと。自分が自由になれたり、普段の社会、家族における所属とは違った自分になれる場所という意味だ。

「当時のクラブは、サードプレイス的な役割があった。夜、何か目当てがあるわけじゃないけれど、そこに行ったら、仲間がいて、自分の好きな音楽が流れている場所。週に3回、4回、あるいは週末に立ち寄って、何杯か飲んで帰るために必ず行くっていう習慣があったかな」(伏谷さん)

「当時の世代の人にとってはクラブはサードプレイスなんだけど、今の20代にとってはわかんないのかも。カフェがサードプレイスだとは何となくわかっても、クラブは......っていうことが起きているのかな」 Photo:HUFFPOST JAPAN

 確かに、サードプレイスとしてのクラブという考え方は、私を含めた多くの若者に根付いていないように感じる。

 しかし一方で、サードプレイスとしてのナイトカルチャーという意識は、案外多くの人が持っているようだ。

 実際に、イベントの参加者に聞いてみると、ある男性はゴールデン街に、また別の男性は葉巻バーに通っているという。