スマホ依存に関する講演をしていると、親と話をしたい年頃なのに、親がスマホでLINEやゲームに熱中してしまい、子どもが困っているという話が少なくない。そこで今回は大人のスマホ依存について考えてみたい。(ITジャーナリスト 高橋暁子)
「うちのお母さんにも言ってください。いつも話を聞かないでスマホに熱中しているから困ってます」
ある小学校でネット依存について講演を終えた後のこと、小学3~4年生くらいの女の子が近寄って来てこう言った。その女の子は、母に話を聞いてもらいたいのに、母は「今忙しいから」と言いながら、スマホいじりに夢中になっているという。
周囲の保護者たちからも、こんな話を聞いている。
「食事中、子どもに『スマホ見すぎ』と注意されたけど、『ママはいいの』と言った」
「子どもには『ゲームをやめろ』と言うのに、実は自分もスマホゲームにはまり、1日に何時間もやってしまう……」
子どもには「スマホにはまってほしくない」と思いつつ、口うるさく注意するのに、自身の利用をコントロールできない保護者は意外にも多い。
NTTドコモが、全国の小学生から高校生とその親を対象に実施した「親と子の食事中のスマホマナー調査」によると、半数の家庭で子どもは「食事中はスマホ禁止」なのに、6割以上の保護者は使用しているという。
親が食事中にスマホをいじっている時の気持ちについて子どもたちに聞くと、子どもの年齢が小さいほど、親のスマホ利用をより気にしている傾向が現れている。