TOPIXなどの指数に連動する新型ETFが登場
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 低空飛行を続けていた国内の上場投資信託(ETF)市場が転換点を迎えている。

 投資額の倍の取引ができるレバレッジ型に加え、下げ相場で利益を上げられるショート型のETFが解禁され、4月に東京と大阪の両証券取引所に相次ぎ上場されたのだ。ただし、この流れは投資家にとって毒にも薬にもなるもろ刃の剣といえる。

 そもそもETFとは、株式市場で取引される投資信託のことで、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価に連動するタイプが主流だった。新たに上場された2銘柄もこれらに連動するが、対象指数の変動に対する値動きが従来とはまったく異なる。

 レバレッジ型は、TOPIXや日経平均株価の対象指数が10%上昇すると20%上昇する。株価の上昇局面で従来の2倍稼げるが、下落した際には損失も2倍となる高リスク高リターンのETFだ。

 一方のショート型は、対象指数と反対に動き、指数が10%下落すると、10%上昇するよう設計されている。空売りの代替として一般の個人投資家でも、証拠金を積まずに下落局面で収益機会を得ることができる。

 いずれもこれまで国内では認められていなかった。今回、金融庁が解禁した背景には、「このままではETF後進国になりかねないとの焦りがあった」(大手運用会社幹部)とされる。

 というのも、レバレッジ型、ショート型ETFの流行は世界的な潮流だ。2009年に一足早く解禁されたお隣の韓国では、両ETFの売買代金がETF市場全体の8割に達するほどの人気ぶりだ。