今回の事件に関し、「官僚は頭脳偏差値こそ高いが、世間知らずなので一度取り込んでしまえば簡単」というコメントが元官僚の識者から出ていたが、妙に納得してしまった。

 ちなみに前述の秘書氏によると、「基本的に官僚は政治家に弱い。だから、現職の国会議員や、引退した大物政治家に会合などで引き合わされてしまうと、簡単に丸め込まれてしまう。ただ、官僚の側にも計算はある。議員の顔を立て貸し借りをつくることで、予算獲得の攻防で有利になったり、自分たちが推し進めている政策を有利に運んだりすることができますから」と指摘した上で、こう続けた。

「そんな官僚や政治家を手玉に取るブローカーたちは、話題が豊富で魅力的な人物が多い。その上、自分を2倍も3倍も大きく見せることにたけている。詐欺師の典型なんだけどね」と明かす。

元財務大臣との不倫関係にあった
証拠の写真まで見せて近づく女ブローカー

 実は、霞が関や永田町周辺には、谷口のような手合いの人物が有象無象に存在している。というのは、“官界に強いジャーナリスト”の看板を掲げているせいか、一時期、私の周囲はブローカーだらけという実に恐ろしい環境に身を置いてしまったことがあるからだ。

 筆者は民主党政権時代、旧知の元厚労族議員から紹介された女性ブローカーのことを思い出していた。今も彼女に悪感情は抱いていない。その行為は別としても、魅力的な人であったことに違いはない。

 出会いは、元議員から誘われた勉強会だった。当日、現れた女性は華やかなスーツに身を包み、大粒のパールのネックレスを幾重にも巻き、3カラットはあるのではと思うカラーダイヤの指輪をはめて、いかにも羽振りが良さそうだった。しかし、宝飾品類は銀座や赤坂にあるレンタル店から借りることが出来ると後から分かった。

 私はそこで彼女に目をつけられることになり、翌日から電話攻撃が始まった。私のことを根掘り葉掘り聞いてきた後、「昨日は来てくれてありがとう。大物議員のあの先生のことは知ってる? 今度、一緒に食事しましょう」などと誘われたのだ