この段階で、同性ということもあり、かなり信用してしまった。彼女が、以前、大臣まで務めた元政治家と若い頃不倫関係にあり、その証拠と思われるホテルなどで撮影した写真を見せてもらったことや、2人のドラマチックな恋愛模様を聞かされたことなども、信頼や好意を倍増させた。

 その後も「今度はあの先生と食事しよう」、「有名起業家の彼も私が面倒をみているので、一度引き合わせる」などと甘い言葉をささやかれたが、結局、2人で食事をするばかり。私の霞が関情報や大手メディアを含めた人脈を事細かに聞かれ、いつの間にか、私が紹介をすることの方が多くなっていった。

 これも後で分かったことなのだが、彼女は、ある議員に対し筆者に「記事を書かせる」と持ち掛けて恩を売ろうとしていたのだ。また、別の議員に関しては、雑誌などで危ない取材が入ると必ず連絡があり、記事をつぶそうと立ち回っていた。もちろん記事はつぶれないのだが、「私がここまで動いたからこの程度で済んだ」と言って、コンサル料を得ていたようだ。

 また、議員の秘書を事務所に紹介し、仮に採用が決まるとその秘書の年収の1割程度を“紹介料”として得たり、水産物や花の輸入を手掛ける会社のために、外務省や農水省の官僚を紹介し成功報酬とコンサル料を得たりしていた。

政治家が官僚に電話するパフォーマンス
依頼者を目の前にして多額の報酬を要求

 しかし、このブローカーなどはかわいいものだ。

 筆者の目が覚めるきっかけとなったのは、ある初老のブローカーからの一件だ。「かわいそうな女性がいるから話を聞いてあげてほしい。できれば記事にしてあげてほしい」と頼まれて事務所に行ったところ、金時計が腕に光る弁護士や、元国会議員などがそろっていた。