武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEO
約6.8兆円でアイルランド・シャイアーを買収する武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者) Photo:AFP=時事

IFRS(国際会計基準)を策定するIASB(国際会計基準審議会)が、買収額と買収先の企業の評価額の差であるのれんの定期的な償却の検討を開始する。大型のM&A(合併・買収)を実施してきたIFRS採用企業にとり、償却をせずに済むことが採用の理由の一つだっただけに、その影響は大きい。(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)

 100円のパンをわざわざ150円で買う人はいない。しかし、会社は違う。買収する会社が今後稼ぐ金を当てにして、現時点での評価額より高い価格で買収することが多い。

 会社の資産を全て時価評価した額が200億円、借入金などの負債が150億円とすると、会社の評価額は200億-150億=50億円となる。この会社を75億円で買収したとすれば、25億円ほど高く買ったことになる。この差額をのれんという。買った会社の将来の収益への期待値といえる。

 のれんの扱いが、日本基準とIFRS、SEC(米国会計基準)とでは違う点がある。

 買収した会社の業績が悪化した場合に、のれんの部分を損失として計上する(減損する)点は、日本基準もIFRSもSECも同じである。一方、日本基準は、買収した会社の業績の好不調にかかわらず、のれんを最長20年間で分割して毎年償却、費用として計上するのに対し、IFRSやSECでは、のれんは償却しない。