武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの買収交渉が大筋合意した。武田が約460億ポンド(6兆8000億円)でシャイアーの全株式を取得するという。買収額は、ソフトバンクグループによる英半導体設計アーム・ホールディングス買収の3兆3000億円をはるかに上回り、過去最大の日本企業の海外企業M&Aになるという。
だがこの案件の発表後から武田薬品の株価は急落し、格付け機関も格付け引き下げを検討し始めるなど資本市場の反応は極めて冷ややかだ。なぜなのか。
過去、失敗のオンパレードだった日本企業の海外M&A「成熟度」が典型的に表れているからだ。
日本企業が失敗を繰り返すのは
資本の論理の「貫徹度」の違い
今回の武田薬品のシャイアー買収に対する資本市場の冷たい反応は、投資家が資本の理屈が通るのかを疑問視しているからだ。