公的年金は破綻しないから
年金保険料はしっかり払った方がいい

 ただ、少子高齢化は、年金財政が苦しくなってしまうという問題を伴う。日本の公的年金は、「現役世代から集めた金を高齢者に配る」システムだから、現役世代と高齢者の人数比が変わると年金財政が苦しくなる。

 しかし、年金が受け取れなくなることはない。年金の額が減ることは当然あるだろうが、それは皆が長生きするのだから仕方のないことといえる。健康ならば70歳まで働いて、70歳から年金を受け取れば、毎回の受け取り額が42%増えるので、現在の高齢者と遜色ない年金が受け取れると期待しよう。

『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』書影
連載の著者、塚崎公義氏の近著『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』(河出書房新社 税込1512円)

 もう1つ心強いのが、政府が他の予算を削っても、年金だけは削らないと思われることだ。理由は2つある。

 第1の理由は、年金を削ると生活できずに生活保護を申請する高齢者が激増し、かえって財政が苦しくなる可能性が高いこと。もう1つは、シルバー民主主義である。年金を削ると選挙に負けるので、政治家は何としても年金だけは払おうとするのだ。

 読者諸兄が自営業者などである場合、年金保険料を払わないと、老後の年金が受け取れなくなってしまう。そうした事態にならないよう、払えるならばしっかり払おう。どうしても払えないなら、免除の申請書を出そう。黙って無視している場合と比べて、紙一枚で大きな違いがあるからだ。

 なお、本稿は拙著『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』の内容の一部をご紹介したものである。詳しく知りたい場合、あるいは来週の記事を先読みしたい場合は、拙著をご覧いただければ幸いである。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)