世界標準の教養として、特に欧米で重要視されているのが「ワイン」である。ビジネスや政治において、ワインは単なる飲み物以上の存在となっているのだ。そこで本連載では、『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』の著者であり、NYクリスティーズでアジア人初のワインスペシャリストとしても活躍した渡辺順子氏に、「教養としてのワイン」の知識を教えてもらう。
ワインは、保存の仕方によって味が変わる
保存方法によって味が大きく変わるのがワインの特徴の一つです。ワインの保存で大切なことは、次の7点です。
(1)13℃前後の温度を保つ
(2)強い光を当てない
(3)湿度60%以上を保つ
(4)ボトルを横にする
(5)風を当てない
(6)他の匂いを近づけない
(7)振動を与えない
まず、大切なのは温度を13℃前後に保つこと。温度が低すぎるとワインの熟成が遅れ、高すぎるとワインの成分や酸化防止剤が化学反応を起こし、ワインが変質します。また、強い光もワインの熟成を早めるので、日光はもちろん蛍光灯の光にも注意が必要です。
湿度を最低60%に保つことも重要です。湿度が低すぎるとコルクが乾燥して縮み、その隙間から空気やバクテリアが入ってワインが酸化・変質してしまうからです。ワインを保存する際は、必ずボトルを横にしますが、これもコルクが乾燥しないよう、常にワインと接触させるためです。また、風が当たるとコルクが乾燥するので、風に当てないことも大切になります。
また、ワインはとても繊細な飲み物です。強い匂いのものが近くにあると、コルクに匂いが移り、そこからワインの香りが変質することもあります。また、振動によってもワインは劣化するので、あまり動かさないことも大切です。
このように、ワインの保存には細心の注意が必要となります。小さなワインセラーであれば、2~3万円前後で買えるものもあるので、ぜひこれを機にワインセラーの購入を検討してみてはいかがでしょうか。