ヒエラルキーに沿ったデスク配置の逆転で
階級を越えたコミュニケーションを誘発

 フリーアドレスの例からもわかるように、ワークプレイスの活性化には常識に囚われない発想力が功を奏す。

 例えば、フロアの入り口に若手、中央に中堅と並び、フロア全体が見渡せるように、窓を背に部長などの管理職が座るのが一般的だ。しかし、このようにヒエラルキーに沿って、管理職のデスクを部屋の奥に配置すると、「管理職に話しかけるには、先輩や上司の前を通る必要がある」「相談している姿が彼らに一目瞭然となる」といった理由で、若手従業員の管理職とのコミュニケーションを避ける傾向を助長してしまう。

「ヒエラルキー順の座席を逆転させ、入り口側に管理職が座るように席を配置すると関係性が変わります。そうすると外出時などに必然的に管理職の近くを通ることになるので、自然な会話が生まれます。経営者層のスタンディングデスクなども、アイコンタクトがとりやすくなり、会話が増えたり、と組織の風通しがよくなる効果があります」(齋藤主幹研究員)

 従来のレイアウトを逆転させるだけだから、実行しやすいのも利点だ。さらに、ヒエラルキー逆転のデスク配置には、「オフィス環境の改善という点でもプラスの効果があります」と齋藤主幹研究員は話す。

「窓際に管理職が座る場合、窓から差し込む光でパソコンの画面が見えにくくなるので、ブラインドを常時閉めざるをえません。管理職の配置を変えれば、窓が解放されるので、光が差し込んだり、眺めが見えたり、とオフィス環境の質を向上させることができます」(齋藤主幹研究員)

 齋藤主幹研究員は、「景観や自然光が生産性や創造性によい影響を与えることは立証されています」とも説明する。